コラム

【大相撲 forスゴ得】相撲記者長山の「九州場所あ・ら・かると(10)~九州場所名勝負」

2017年12月5日 12:00配信

【平成17年14日目】

朝青龍(寄り切り)魁皇

平成17年はまさに横綱朝青龍一色の年だった。前年の16年九州場所から続く連続優勝は、秋場所で6となり、昭和の大横綱大鵬の6連覇に並んだ。

またこの年、秋場所までに喫した黒星もわずかに5で、北の湖が昭和53年に記録した年間最多勝記録82の記録更新も現実身を帯びてきた。

さらに納めの九州場所を制すれば、前人未踏の初場所から九州場所までの年間完全制覇を達成することになる。

空前絶後のトリプル快挙を目指して、モンゴルの蒼き狼は博多の地に乗り込んできた。

この場所も、誰もいない荒野を失踪するがごとく、初日から12連勝。13日目には関脇琴欧洲に1敗を喫したものの、14日目の大関魁皇戦に勝てばV決定となり、3つの大記録を手中に収めることになった。

朝青龍は立ち合い素早く右上手を取って左差し、魁皇に上手を与えぬ体勢から右上手投げで振り回したあと下手を取り、両まわしを引き付けての寄りと、一方的に攻めて魁皇を退けた。

朝青龍は、史上初の7連覇、年6場所完全制覇、そして年間最多勝新記録という大相撲の歴史を塗り替える大偉業を打ち立て、勝ち名乗りを受ける際には涙ぐんだ。

朝青龍は翌千秋楽には千代大海を寄り切り、自己の記録をさらに更新する年間84個目の白星を獲得した。

【平成26年千秋楽】

白鵬(寄り切り)鶴竜

横綱白鵬は、優勝回数をこの年の名古屋場所で大鵬、千代の富士に次ぐ史上3人目となる30回の大台に乗せた。

続く秋場所も制して、いよいよ九州場所では昭和46年に大鵬が打ち立てた、歴代最多の32回を目指すことになった。

6日目に平幕髙安にはたき込みで敗れたが、それ以外は安定した相撲ぶりで、千秋楽に2敗の鶴竜と優勝をかけて対決した。

白鵬は右差し左上手狙いで踏み込み、十分に組めないとみるとすぐに左からいなしてもろ差しとなり、鶴竜が左を巻き返るのも構わず、右上手を取っての万全お寄り身で、32回目の優勝を果たした。

自ら「角界の父」と呼ぶ先人の偉大な記録に並んだ白鵬は、優勝インタビューでも目からあふれるものを押さえきれなかった。

その後白鵬は優勝回数を37(平成28年秋場所終了現在)まで伸ばしている。

モンゴル人力士全盛時代の特徴は、年6場所制の記録がいともたやすく破られたことにある。

白鵬は平成21年九州には86勝を挙げ、前記の朝青龍の年間最多勝記録をさらに更新。そして平成23年には朝青龍同様7連覇も達成している。

しかし朝青龍や白鵬が次々と新記録を成し遂げながら、相手力士の実力不足、気迫不足ばかりが目立ち、名勝負がほとんど存在しないのは残念なことと言わざるを得ない。

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