コラム

相撲記者長山の「初場所物語(初場所名勝負~1)」

2018年1月11日 16:30配信

「昭和29年初場所」千秋楽

吉葉山(寄り切り)鏡里

吉葉山は180センチ、143キロという筋肉質な体型に、色白の美男力士。しかし、伸び盛りの6年間、召集を受けて戦野で過ごしたほか、小部屋で全くの総当たり、大関で14勝挙げながら優勝できないなど、土俵人生には常に不運がつきまとっていた。判官贔屓もあって栃若時代以前は人気ナンバーワン力士だった。

ところがこの場所大関だった吉葉山は、鬼神が乗り移ったかのような相撲で初日から14連勝。千秋楽の対戦は1敗のライバル鏡里だった。

東京はこの日大雪のため交通機関がマヒしたが、それでも何とか吉葉山に優勝させたいというファンは多く、暖房もない国技館が、超満員の札止めとなった。

吉葉左、鏡右のけんか四つの対戦は、吉葉山が右から突き起こして得意の左を差し勝ち、すばやく右上手も取った。圧倒的に有利な体勢になった吉葉山は、じりじりと寄り立て、土俵際必死にこらえる鏡里を寄り切り、全勝で悲願の初優勝を飾った。

大雪の中行われたパレードは、一幅の絵のように絢爛豪華で、その時のファンの熱狂ぶりは、その後の貴ノ花や千代の富士の初優勝時を上回るものだったといわれている。

その人気に押されるように場所後に横綱に昇進したが、33歳だったこともあり、その後はけがや病気のため大した活躍を挙げられず、昭和33年初場所に引退した。

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