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コラム

朝日山親方の「一月場所総括!~押し相撲時代の到来~」

2019年2月5日 11:30配信

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みなさんこんにちは!最近ひとつ悟りを開いた朝日山です。

いやー!見事な玉鷲の優勝で幕を閉じた一月場所でしたねー!

玉鷲はこの1~2年本当に力をつけてきました。

星が伸びない場所も中にはありますが、一貫して相撲を変えず、しっかりとした地力がありますよね!

今場所の優勝も決して「たまたま」という事では無いと思いますよ。

そしてやっぱり「鉄人」と呼ばれるにふさわしく、一切休まず出場し続けています。これは本当にすごいですね。

当然、小さなケガはあるはずですよ。でもちょっとやそっとじゃ休まない。と言う強い信念があるのでしょうね。本当に立派です。

技術的な事を言いますと、立ち合いの構える位置を微妙に変えていますね。若干ずつマイナーチェンジしています。より自分の突き押しのパワーが相手に伝わるように少しづつ微調整しています。

本人が良く言っていました。「大関にもなれるならなりたいけどやっぱり優勝したいですね!」今場所ようやく大輪の花に繋がりました!

世間一般では世代交代が囁かれる中で34歳の玉鷲が優勝しました。

日馬富士、稀勢の里の引退と現横綱達が一時期の絶対的強さが無くなってはいますが幕内には玉鷲をはじめ嘉風、松鳳山、琴奨菊たちがいます。大関豪栄道や関脇妙義龍もベテランです。

彼らがどっかり幕内にいるのに横綱陣の力が若干落ちたところで世代交代というには早いのでは無いかな?という感じです。

玉鷲にはここを峠のピークにしないで、まだまだこれから時代を作るつもりで若手のお手本になるようにみんなを引っ張って行って欲しいですね!

貴景勝、御嶽海が三賞を受賞しましたね!

ここ1年くらい、この二人や玉鷲に見られる「押し相撲」の力士の活躍が多くみられますね!

私が入門した三十数年前は「早く出世したかったら押し相撲」という風に教わりました。この取り口は相手が本当に嫌がるんですよね。

一時代を築いた朝青龍、白鵬の時代は四ツ相撲を得意とする彼らに、みんなして組みに行っていました。右四つの白鵬に自分も右四つだからって右四つに組みに行く。そりゃ勝てないですよ(笑)

彼らがあれだけの優勝回数を重ねたのもそういう時代だったという側面もあるんですよね。

押し相撲というのは小兵力士でも大きな力士に勝てるツールです。ある意味諸刃の剣的なところもあって、リズムを崩すと星を大きく落としてしまう一面もありますが、絶対に相手十分の形にしない、そういう強さがあります。

そして今回玉鷲が見事優勝しました。彼の大関昇進だって夢物語ではないですよ!

次の大阪場所どういう結果を残すのか?それによって五月場所が大関取りの場所になるわけですから!

玉鷲の場合、相撲を変えることは無いですし大きなブレは無いのでは?と思いますね。何も迷わず、ただ自分の相撲に徹していけば星はしっかり付いてくると思いますよ!

あと1点!玉鷲、お子さん生まれましたよね!これ「相撲あるある」なんですが、子供が生まれた年って成績上がるんですよ!先輩やいろんな親方からもよく言われましたよ。

私の場合、長女が生まれた年に優勝しました。次女が生まれた年に年間6場所中4場所三賞もらいました。長男が生まれた年に、これまた優勝しました!

皆さんは力士にお子さんが生まれたって聞いたら、そんな一面から相撲を見てみるのも面白いかもしれませんね!

ま、貴景勝は大関昇進を見送られましたが、いずれ必ず大関以上に行くでしょう!

審判部で会を開いたのですが、私は「33勝もしたし、優勝もしているのですから上に上げて良いのでは?」という意見を出したのですが最終的に見送りになりましたね。

これで大阪場所でしっかり結果残して、文句なしで大関になってほしいですね!

いずれにせよ、大関になったら毎場所最低10勝は上げることを求められるわけですから、これで大阪で乱れることになればやっぱり上げなくてよかったね。という事になります。

また現大関陣が元気ないのが気になりますね。ケガもあるのでしょうが、彼らを見ていると、「大関の地位から陥落したくない。」と言う雰囲気しか見えてこないですね。相撲がおとなしい。

元若乃花のお兄ちゃんが言っていたのをよく思い出します。「大関は通過点。」

綱を張るんだって言う気持ちで思い切った相撲を見せてほしいですね。

大阪場所に期待します!!!

ワタクシ現在審判部に所属しておりまして勝負審判をやるのが3場所目になります。

その中で1場所3回「勝負審判長」を務めることになるんですよね。ワタクシこれが嫌で嫌でしょうがないんですよ。

1回審判につくと必ず毎回1~2回は「物言い」が付くんですよ。物言いがつくとマイクで説明するじゃないですか!あれが苦手でねぇ~!どうしてもタドタドしくなっちゃう。

んで説明が終わると、その結果によっては会場はシーンとなるでしょ!まるで自分が滑ったみたいになるじゃない!1万人をシラケさせたような感じですよ。

だけどみんな真剣勝負だから必ずもつれて土俵下とかに落ちる。こっちから見ていれば明らかな状態でも向こうから見るとよく見えなかったりして、「手を上げるなよ~」なんて思っていると誰かが「物言い~~!」なんて言ってくる!「ア~ッ!!」って感じですよ!

ですのでワタクシ最後の勝負審判長を務める前日に猛練習しました!「軍配差し違えの場合」「取り直しの場合」「軍配通りの場合」。

そして完璧に仕上げ「よーし!いつでも来い!なんなら俺が物言いつけてやる!」って感じで意気込んで最後の審判長席に座りました。

取組始まって「もつれろ~!もつれろ~!」って念じてましたよ!

そうしたら最後まで物言い1個もありませんでした。。。

み~んなキレーな相撲でしたぁぁぁ。。。

欲しがるものって中々手に入りませんね。ひとつ悟りました。

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