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コラム

元・東桜山のみんなの大相撲 大相撲七月場所に行ってきました

2020年8月12日 18:15配信

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元大関・照ノ富士関の復活優勝で幕を閉じた異例の大相撲七月場所。

本来の名古屋開催では無く、今回は東京・国技館での開催。さらには観客も4分の1まで人数制限をしての開催になりました。通常は4人で座るマス席が、1人ずつ座るというある種、贅沢な仕様でソーシャルディスタンスを保ち、声援なども飛沫が飛ぶことを防止するため禁止となり、拍手のみでの応援という異例のスタイルで開催されました。

チケットも4分の1しか販売されないので、売り切れなのかと思っていたのですが、実際には意外に空席もあり、平日はチケットが売れ残っていたので、私もネットから購入して11日目に観戦をしてきました。私は普段でも時々本場所の観戦には行くのですが、今回は入場からすでにいつもと勝手が違う形式でした。

本場所の入り口では通常、木戸係の親方衆がチケットのもぎりをしてくれるのですが、今回はそのスタイルは無く、エントランスの手前で手指の消毒、そして検温をしてOKなお客さんのみ、館内に入ることが出来る形式になっていました。また親方衆や、世話人さんなどの姿は無く、他のイベントスタッフによる誘導で、観客と協会員の接触が無いように対策がされていました。 館内に入っても、取組が書かれた“割(わり)”と呼ばれる取組表のほか、観戦時の注意事項などが書いた書類、そして手指消毒用の消毒液などが配布されました。

通常でしたら1階の西側売店裏では、多くのファンが出待ちや入り待ちをしていて、声援が飛んでいるのですが今場所は、その外のエリアには立ち入りを禁止され、さらには売店なども通常の営業より縮小しての営業となっていました。

今場所は、観戦時の飲酒も禁止なのと、常時マスクの着用。さらには声援も禁止なので、いつもとは勝手が違います。それを一番感じたのは、横綱土俵入りの際です。通常では横綱が土俵入りで四股を踏むと、「ヨイショー!!」とお客さんが声を出すのですが、今回は四股を踏むたびに“拍手”なのです。とても違和感を感じましたが、誰一人叫ぶお客さんも居なく、来場のファンの皆さんもマナー良く観戦していたのが特徴的でした。

また、館内が静寂の中での大相撲なので、花道から聞こえてくる咳払いや、気合を入れる咳払いなど、普段は歓声にかき消されている音を聞くことができ、さらには土俵入りの際に、タイミングをとるために「しーーー」って音を立てながら息を吐くのですが、それも鮮明に聞こえてきて普段では中々感じる事の出来ない特別な大相撲を観ることができました。

今後の本場所は通常開催になることを祈っていますが、一向に収束しない新型コロナウィルスの状況で、来場所以降もある程度の制限が掛けられた本場所になるかも知れません。

力士たちの息遣いや、立ち合いの衝撃音など、普段は感じられない音も楽しめる新しい形式の大相撲を一度見てみるもの良いものだと思います。

一日でも早く、「昔は、こんな大相撲があったんだよなぁ」と懐かしめる日が来るように、新型コロナウィルスの収束を願うばかりです。

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