dmenuスポーツ

コラム

元・東桜山のみんなの大相撲「付け人とは?」

2019年2月15日 15:45配信

記事提供:

3月の春場所には、毎年多くの新弟子たちが入門します。角界では年に6回ある本場所のどの場所でも入門することができますが、ちょうどタイミング的に卒業や新年度を迎える春場所をよく“就職場所”なんて呼んだりもします。

明日の関取や横綱を目指して夢や期待を抱き、そして家族や親戚、恩師や友人からの激励・期待を一身に受け相撲部屋へ入門してきます。

中学卒業する15歳で入門するものも居れば、高校や大学などでアマチュア相撲を経験して入門してくる者などさまざまです。新弟子たちは大阪からのデビューではありますが、ちょうどこの2月半ばくらいから徐々に東京の相撲部屋に入門してきます。相撲部屋での団体生活に少しずつ慣れるためと、相撲の稽古も未経験の子たちには基本から教えていきます。

受け入れる相撲部屋でも、新弟子が入門するといろいろな準備が必要です。ほとんどの新弟子は数日間分の洋服のみ持って身体一つで入門します。布団も着物も履物もそのほとんどを相撲部屋が用意してくれるのです。入門が決まるとまずは数着の着物と帯、そして下着類などを女将さんが買いそろえてくれます。もちろんマワシも新しいものが用意され、本場所で使うさがりや風呂敷、そして頭に塗る油などもすべて用意されます。

中学を卒業したばかりの子は、親元を離れて団体生活をするだけでも一苦労ましてや地方出身の子ならなおさらホームシックなどにもなり、最初のころは慣れない生活にとても苦労するものです。強い力士になるにはまず最初にこの生活に慣れるところから戦いは始まるのです。なかなか生活に慣れることができず、わずか数日で家に帰ってしまう子も中にはいます。大学卒業後に入門した私ですら、角界の生活には若干の戸惑いがありました。着物にしても着方も畳み方も全くの未経験でしたし、独特な角界の言葉や挨拶方法など、日々知らないことだらけで大変でした。よく一般社会では五月ごろに会社に行きたく無くなったり元気が無くなることを「五月病」と表現することもあるかと思いますが、角界でも同じようなことがあるのです。

「頑張ってこいよ!」

「関取になるまでは帰ってくるなよ!」

「絶対横綱になれよ!」

地方から出てきた新弟子たちは駅や空港でたくさんの応援や激励を受け、盛大に見送られて上京してくる時期です。一時的ではありますが仲間や家族との別れは若い子たちにとっても辛いものです。生活に慣れなかったり稽古が辛い時には仲間や家族の手紙などに励まされるものです。この季節になると毎年自分が入門した頃の記憶がよみがえり、懐かしくもあり初心に帰れるそんな気持ちになるものです。

また今年もたくさんの新弟子が入門してくるでしょう。これからの角界は彼ら若い力士たちの肩にかかっています。辛い稽古に耐えて強くて素晴らしい力士になってもらいたいものです。

一覧に戻る

スゴ得でもっと見る

競技一覧

外観

競技一覧 速報中
トップへ戻る