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私の取材したちょっといい話 千代大海1

2020年5月19日 18:25配信

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しかし平成10年頃からさらに新しい世代の台頭があり、その先陣を切ったのが千代大海だった。10年名古屋で武双山との“けんか相撲”で一躍ブレイク。そのままの勢いで翌11年初場所には2敗で千秋楽に1敗の横綱若乃花と優勝をかけた対峙した。

本割は突き落として両者2敗で並んだ。決定戦では押し込んだものの土俵際若乃花にはたかれ同体取り直し。今度は左四つになり若乃花が有利かと思われたが、千代大海はすくい投げから若乃花を寄り倒して初優勝を決め、場所後大関に昇進した。

ツッパリ少年からのサクセスストーリーは世間の耳目を集め、優勝を決めた週の各ワイドショーでは、連日千代大海のことが取り上げられた。大分の凱旋パレードには市の約3分の1にあたる15万人が沿道を埋め尽くすなど、千代大海人気はピークに達した。

その時に独占取材を行ったが、一番勢いのある時だっただけに、話も小気味いいものだった。

初優勝がかかっていた若乃花との決定戦も、よく周りが見えていたという。

「物言いが長かったから、これは確認じゃないな、取り直しもあると思っていた。冷静だったよ。土俵下に落ちた時、女性に当たったけど、その人に悪いなと思いながら物言いを見ていたんだから(笑)」

それでも場所後の取材攻勢は思った以上だった。

「大関昇進後の取材は、ドッとあって大変だった。それに『入門のきっかけは何ですか』なんて、何度も同じことを聞かれてもう疲れたよ」

大分ではけんかで無敵を誇ったが、相撲界に入って強い人が多くてびっくりしなかったか?と、新弟子時代のことを聞いてみると

「思ったよ。でも、それはスポーツとしての相撲が強いと思っただけ。だって相手はオレが相撲界に入る何年の前から相撲を取っているんでしょう。負けて当たり前、けんかなら誰にも負けない自信があった(笑)。確かに『一丁やってやるか、オモテへ出ろ』みたいな時もあったけどね(笑)。まあ、そうやってオレを殺気立たせてくれたおかげで(笑)、絶対に番付で追い越してやろうと思ったもん」

と入門当初から強気の姿勢は一貫していた。

また、突き押しだけで横綱になるのは難しいことを指摘してみた。

「オレがその常識をくつがえして、突き押し横綱第1号になるよ。でも、今はいいけど、27、28歳になると、スタミナ維持のため四つ相撲を取らなければならないかも知れないけどね。まあ、突き押しにこだわるのはオレのポリシーだから。横浜ベイスターズの三浦投手(当時)がリーゼントをやめたら、オレも四つ相撲になるかも(笑)。ポリシー対決だね(笑)」

そして好きな食べ物は「オレはあんまり肉が好きじゃない。魚介類が好きだね。今どきの若者はあまり魚介類を食べない? 最近の若いヤツは子供だからね(笑)。それにいい魚介類を食ってないんじゃないの」と発言。

この時の千代大海はまだ弱冠22歳だった。

威力ある突き押し相撲で新時代の扉を開いた千代大海

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