コラム
元・東桜山のみんなの大相撲 一難去ってまた一難
2020年8月14日 16:05配信
ここ数年、たびたびワイドショーなどのネタにされ、叩かれ続ける大相撲。
原因は、もちろん問題を起こした当事者にありますが、なんでこうも、不祥事やトラブルが付きまとうのでしょうか?
相撲協会が全員を集めて、指導を行っても、今回の当事者は「寝てました」なんて言う始末。そしてまた問題を起こす。これは相撲協会の責任とか師匠の責任とかでは無く、単純に本人が大馬鹿者なだけ。今回は引退などにはなりませんでしたが、ちゃんと反省をして出直してまた頑張ってもらいたいものです。
ただ、いまの力士たちは正直、かわいそうな時代に力士をしているなと私は思います。というのも、昔だったら話題にならないようなことまで、揚げ足を取ったかのように報道するマスコミや、一般人までもがスマホで写真を撮りツイートなど発信することで、記者化している昨今、常に気を緩められない状況にあります。
一昔前は、破天荒なこととか、常人ではありえないことがカッコいいというか伝説のように扱われていました。
いまでも「あの時代はすごかったな」とか語られると思いますが、「大横綱が銀座で一晩いくら飲んだ」とか、「大渋滞で取組に間に合わないからヘリコプターで場所入りした」とか、そんな伝説みたいな話が、夢のような話であり、さらにはカッコいいとさえ思っていました。
それと同時に、バカ話というか文章で書けないような無茶苦茶な話もたくさんあって、「あいつはすげぇな」なんて一目置かれた存在でした。今回の当事者も、一昔前に現役なら「あいつはすげぇな」なんて言われていたかも知れません。
天下の横綱や大関など大相撲の英雄たちの武勇伝的な話を聞いて、それを夢見て「いつか俺も出世して、良いもの食って良い生活をしてやる」と大相撲に入門してきた若者も多かったはず。私もそんな一人。
昔のような浮世離れした話が、現在の世の中では、認められず、大きな身体の力士たちも目立たないように、小さく小さく肩身の狭い思いをしているのが現状です。
相撲部屋での指導方法も大変だと思います。昔なら悪いことをすれば、ぶん殴られたものです。そして稽古で“かわいがり”されたものです。
いまの世の中は家庭でも父親が殴らない。学校でも体罰は禁止。殴ったりの体罰が良いとは思いませんが、そういう教育を受けて育ってきた世代にとったら、指導が難しい時代かも知れません。
本来なら土俵の中の話題で、盛り上がってもらいたいものですが、世間の注目はいつも土俵の外。
コロナ禍の状況で、いろいろな職業やサービスなどが淘汰されている時代。大相撲もこの先のことを考えると、若者たちが夢見る大相撲を目指して、改革をする時代に来ているのでないでしょうか?
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