コラム
元・東桜山のみんなの大相撲「コツコツと」
2018年11月1日 17:05配信
どんな世界でもそうだと思いますが、一瞬で何かを成し遂げることはなかなか出来ません。成功の陰には、他人には見せない日々の努力があるものです。
それは角界でも同じこと。本場所前だけ少し稽古すれば勝てるわけではなく、本場所が終わって次の本場所までの間も地道に稽古をすることがとても大切です。
毎日の朝稽古は、各部屋によって始まる時間も稽古時間も様々ですが、基本的にはどの部屋も番付下位の力士から稽古を始めていきます。
下位の力士が申し合いという取組の稽古をしている間も、ほかの力士たちは土俵周りで四股を踏んだり、すり足をしたり、てっぽうをしたり。
中には大きな石を持って腰おろしをしたり古いタイヤにロープをつけて引っ張ったり。
<写真は、タイヤを引っ張る富士東>
自分の申し合いが始まるまでは、黙々と四股を踏んだり身体を常に動かして汗をかきます。この富士東の師匠でもある元大関・栃東の玉ノ井親方も現役中は、自分自身の申し合いをするまでの約2時間ほどみっちりと身体を動かして汗をかいていました。
毎日稽古のルーティーンが決まっていて、黙々と汗を流し稽古をしていました。上の写真の力士、富士東も、稽古を見に行くと本当によく身体を動かしています。元幕内力士で現在は幕下まで番付が下がっていますが彼の稽古を見ると腐らずに一生懸命汗を流している姿に「頑張ってるなぁ」と感心するとともに私自身ももう力士ではありませんが頑張らなくてはと感じるものがありました。
本場所での華やかな世界の陰には、こういう毎日の地道な稽古があるのです。
今日も明日も明後日も力士たちは次の関取を目指して稽古に精進するのです。
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