コラム
元・東桜山のみんなの大相撲「懸賞金」
2018年8月16日 16:25配信
大相撲では本場所の幕内以上の取り組みになると、いくつかの取組に懸賞金がかかります。懸賞金のかかった取組になると呼出しさんたちがその懸賞の幕を持って土俵を一周します。よくテレビ中継でも土俵を周る懸賞幕を見ることができますが、懸賞金1本につきこの懸賞幕が1つ土俵を周ります。ですのでこの取組には何本の懸賞金がかかっているのかは旗の数でカウントすることができるのです。
この懸賞金ですが、ほとんどの方がざっくりとは理解しているかと思いますが今回はその金額や内容について少し掘り下げてご紹介したいと思います。
この懸賞金ですが、懸賞を賭ける側のスポンサーは、1本の懸賞金につき62,000円を懸賞金として出し、一場所で最低15本の懸賞金を出すことが条件となっています。
また個人名義での懸賞は出すことが出来ず、必ず企業や団体などの法人のみに協賛が許されています。
懸賞金1本62,000円ですが全額力士に渡されるわけではありません。まずはこの中から相撲協会の事務手数料として5,300円を差し引きます。5,300円の内訳としては取組表への印刷代や、場内アナウンスでのアナウンス料などがあります。そして差し引きした56,700円が勝った力士に支給されるのですが、さらにここからも税金充当分26,700円を源泉徴収して手取り額は1本あたり3万円で支給をするのです。
これは土俵上で懸賞袋に入れて渡されます。
1本につき一つずつ懸賞袋に3万円が入っていてその袋にはスポンサー名が記されています。例えば5本の懸賞がつけばその取組に勝つと5本分(15万円)を土俵上で現金支給されます。この懸賞金の本数は人気や注目度によって左右され、つい数年前までは1取組に対して最大で50本という制限がかかっていたのですが昨年の稀勢の里関が初優勝をした千秋楽の一番に多くの懸賞金がかかりその制限を解除して60本の懸賞金が掛けられました。この一番が今までの中で最も本数の多い取組となりました。これ以降、制限を60本に引き上げることになりました。
実は1月5月9月に行われる東京場所だけ限定の懸賞があることご存知でしょうか?
この懸賞はいろいろな面で特殊で、まずは懸賞を掛ける取組をお客さんたちのファン投票で決めることができます。そしてその懸賞をもらうと通常通りの手取り3万円ももらえますが、なんとキャラメルなどのお菓子ももらえるのです。この懸賞はお菓子などのメーカー森永製菓さんが出している懸賞で「森永賞」と呼ばれています。
私が現役中、栃東関の付き人として本場所に行っていましたが、この懸賞金を預かって部屋まで持って帰ることがよくありましたが、落としたらどうしようとか、盗まれたらどうしようとか、大きなカラダをしているわりにはかなりビビりながら帰った記憶があります。懸賞金の本数は人気のバロメーターでもあるので来場所の御嶽海関の取り組みには多くの懸賞金がかかることでしょう。
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