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コラム

元・東桜山のみんなの大相撲「片肌脱ぐ」

2018年8月28日 17:45配信

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“片肌脱ぐ(かたはだぬぐ)”と聞くと、遠山の金さんが肩に入れた桜吹雪の入れ墨を見せるときのポーズを思い浮かべる人は多いかと思います。

片肌脱ぐを辞書で調べると「他人に力を貸す。助力する。ひと肌脱ぐ。」という意味が出てきます。これはなかなか現代の洋服では難しいポーズではありますが、着物だと割と簡単に片方の肩を出すことができます。

実は大相撲でもこの“片肌脱ぐ”ことが時々見られます。これはなかなかテレビ中継では映されないのですが取組を行う力士が土俵に上がり仕切りの動作をする際に、花道側の土俵の角で力士たちが力水を受けます。

これは前の取り組みで勝った力士が残って次の力士に力水をつけるのですが、反対側の負けた力士は花道を引き揚げてしまうので、次の取り組みの力士が力水をつけます。

ただ結びの一番に限っては、片側の方面の力士が2番連続で負けてしまうと次に力水をつける力士が居ないため、付き人が急遽土俵下まで入って水をつけるのです。その際に、浴衣や着物で力水をつけるのですがこの時に片肌を脱いで力水をつけるのです。

横綱・大関になると結びの一番で取組をすることがよくあるのでその度に付き人たちは片肌を脱ぐ可能性があり、いつでも力水をつけにいく準備をしています。

この片肌を脱ぐ際に中に着ているステテコシャツなどの肌着が見えるとだらしないので、片肌脱ぐ可能性がある付き人は前もって肌着も脱いで浴衣や着物を着ています。

ただあからさまにその準備をすることは前に取り組む関取に失礼なので支度部屋ではこっそりとこの準備をしています。私も大関・栃東関の付き人だったので何度か経験をさせてもらいましたが、大観衆の中に突然片肌を脱いで入場するのは結構はずかしく、周りの人もあまり理解していないため「なんだあいつは?」という目線がとても緊張したものです。

生で本場所を観戦する際にはこんな光景も見ることができますので頭の片隅にでも入れておいてください。

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