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コラム

相撲記者長山の「大相撲の巡業(3)」

2019年4月26日 12:20配信

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巡業日数が少なくなった時期が長かったことは、力士のコンディション作りも変えた。最近は、力士の間でも巡業で稽古することの目的を見いだせないでいるのが現状だ。平成27年の秋巡業初日は、栃木県の宇都宮市で行われたが、幕内で稽古を敢行したのは、平幕のわずか4力士だった。

しかし前述の通り、関取70人に対し、2時間弱の稽古時間では、どうやりくりしても無理があるのも事実。

特にメーンとなる幕内の稽古時間も、多くて1時間半程度。従って幕内42人で、申し合いに参加するのは半数以下となる。番数も多い力士でも20番程度で、稽古ができたものの、芽が出ない(勝てない)と1、2番という力士も多い。

横綱・大関は土俵を独占できるが、あまり1人が長く稽古を行うと他の力士に支障がでるため、1人10番程度が目安となっている。

「自主興行」は、「稽古の充実を図る」という目的もあったため、どこの巡業地にも館内の本土俵の他に、体育館横に必ずサブ土俵が用意されていた。

設営には300万程度の金額が必要とされるサブ土俵は、1日興行ではどうしても敬遠されがちとなり、いつのまにか姿を消してしまった。

もちろん現在でも、普段から厳しい稽古に励んでいる部屋もある。一方で巡業中ほとんど稽古を行わず、番付発表後がメーンという「一夜漬け的」な力士が数多く存在するのも事実だ。本格的な稽古が、わずか2週間弱では、プロ相撲として鍛錬不足のそしりはまぬかれまい。

本場所で中身の濃い相撲を見せるためには、日頃の鍛錬が大事なのは言うまでもない。日数が増加傾向にある今こそ、もっと巡業で稽古ができる環境を整えることを真剣に考えなければならない。

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