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コラム

元・東桜山のみんなの大相撲 東桜山のお話(3)

2019年6月7日 17:00配信

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私は現役時代、玉ノ井部屋に在籍しておりました。

玉ノ井部屋は、初代栃東関(元関脇)の玉ノ井親方が足立区に興した相撲部屋です。当初は、足立区梅田というところにあって、住宅街の中にあるこじんまりとした相撲部屋でした。ただ力士の数は常に20人以上が在籍する部屋で、部屋の雰囲気はとても賑やかで活気のある相撲部屋でした。

私は、中学高校時代にのちの大関栃東関と同級生だったので、中学時代から玉ノ井部屋に遊びに行くことがよくありました。また相撲部の合宿などでもお世話になり、入門前からとても馴染みのある相撲部屋でした。

入門した当時、玉ノ井部屋には数名のブラジル人力士が在籍していました。元十両の隆濤(りゅうどう)さんや、若東(わかあずま)さん、国東(くにあずま)さんなどがおりました。実は、私と栃東関が中学時代にブラジルに相撲遠征に行き、その時に彼らとブラジルで出会いました。若東さんとは歳が同じなので、よく一緒にトレーニングしたり、食事に行ったりもしました。

ブラジル人力士たちは普段は陽気な性格ですが、日本人より負けず嫌いな一面があり、稽古ではとても激しい稽古をしていました。稽古場では毎日白熱した稽古をしたことを今でも思い出します。

私が入門したときに彼らは幕下上位にいましたので、まず最初の目標は彼らに追いつくことでした。

現在の玉ノ井部屋は14年くらい前に新築し移転したのですが、私の力士生活の半分以上は古い玉ノ井部屋でしたので、そこでの思い出はとても懐かしく思います。部屋の近所に銭湯があって、夜はよく銭湯に行くことが息抜きでした。そしてその銭湯の隣にあるコインランドリーで毎日洗濯をしていました。コインランドリーにはベンチがあって、洗濯の待ち時間はそこに座って、兄弟子や弟弟子と色んなことを話しました。夢を語ったり、悩みを相談したり、愚痴を言ったり。いまでもそのコインランドリーと銭湯はあるのですが、先日たまたまその前を通った時、当時の気持ちが蘇ってとても懐かしく感じました。そこには私やたくさんの力士の青春の1ページが残されている気がしました。

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